このCDには、2010年6月18日、東京・大田区民ホール アプリコで行なわれた「第17回定期演奏会」第1部を彩ったアメリカン・ウィンド・オリジナルの傑作3曲が収録されています。
1曲目は、アルフレッド・リードの序曲『春の猟犬』です。
春真近、雪解けの草原の中を、猟犬たちが元気に突き進む様子や春とともにめばえるロマンスを描いた明るく美しいこのコンサート序曲は、作曲後30年をへた今も世界中で愛演されています。
自宅書斎にタッド氏指揮のCDを集めた“タッド・コーナー”を作って何度も何度も聴いていたというほど、生前のリードから厚い信頼を得ていた指揮者タッド氏にとっても、この曲はお気に入りの1つ。
久しぶりに取り上げられたこの日の演奏もまた、明るく愉しい快演となりました。
まるでステージ上の演奏メンバーが、口々に“ワンワン、ワンワン”と吠えながら草原を駆けまわる犬たちのように、つい感じてしまいそうになる、とても愉しげで活力のある演奏です。
2曲目は、今や声楽の世界でワールドワイドな名声を誇る作曲家、指揮者として活躍中のエリック・ウィッテカーの『オクトーバー』です。
ウィッテカーは、タッド氏が大学院指揮科教授として教鞭をとる米ネヴァダ大学ラスベガス校の卒業。
“10月は一年の中で最も好きな季節”と語ったかつての教え子のこの作品もまたタッド氏のお気に入りです。
深まり行く秋の美しさを描いた詩的なこの作品をTADWSは、情感たっぷりに表現します。
コンサート第1部のフィナーレを飾った3曲目は、クロード・T・スミスの『フェスティヴァル・ヴァリエーションズ』です。
作品を委嘱、初演したアメリカ空軍ワシントンD.C.バンドの指揮者アーナルド・D・ゲイブリエルが、“その壮麗なるロマンティシズムと結合した輝かしいテクニカル・パッセージによって、20世紀の記念碑作品の1つに数えられることは確実でしょう”と語ったこの作品は、日本でもたいへん人気があります。
オリジナル・スコアどおりチェロも入ったこの日の演奏は、スミスのスコアリングとオーケストレーションの妙を際立たせ、ゴージャスなサウンドとスピード感覚、そして曲が終わった瞬間ホールに消えていくサウンドの美しさはまさに絶品! お目当てのホルンも大活躍です。
・演奏:タッド・ウインドシンフォニー(TAD Wind Symphony) ・指揮:鈴木孝佳(タッド鈴木)(Takayoshi "TAD" Suzuki) ・発売元:WINDSTREAM ・発売年:2011年 ・収録:2010年6月18日 大田区民ホール アプリコ ・メーカー品番: 1. 序曲「春の猟犬」/アルフレッド・リード【9:27】 The Hounds of Spring, A Concert Overture for Winds/Alfred Reed 2. オクトーバー/エリック・ウィッテカー【7:55】 October/Eric Whitacre 3. フェスティヴァル・ヴァリエーションズ/クロード・T・スミス【10:30】 Festival Variations/Claude T. Smith
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